感情の段階を知って、基の感情を見つける
怒りの感情はどこから出てきているのでしょう。
何もなくいきなり「怒り」が沸き起こることはありません。
段階が必ずあります。
その段階として、感情には「第一感情と第二感情の2段階」があります。
たとえば「怒り」の感情を例にすると、その怒りの感情がわき起こる「基の感情」があります。
例1)不安や心配から生まれた怒り
帰りの遅い相手を心配をして、返ってきた相手に怒りをぶつけた
例2)期待から生まれた怒り
きっと成功するだろうと期待をしていたが、うまくいかず怒りをぶつけた
こんな風に、「怒り」という感情にも、原因は様々です。
「不安」から生まれる感情が、「怒り」という感情に変わることもありますが、「哀しみ」という感情に変わることもあります。
その「怒り」の感情にも「哀しみ」が入っていることもあります。
つまり、「怒り」という感情は「第2感情」であり、その前に1つ基となる感情「第1感情」があるということです。
私たちはこの「第2感情」に囚われて、最初のピュアな感情「第1感情」を見過ごしてしまいがちです。
その「第1感情」を見つけることが、基の感情を見つけるということで、それがわかれば「第2感情」である「怒り」の感情の原因を探すこともできるようになります。
感情の基から対応していく
「怒り」という感情を早く沈めたい
そんな時に「怒り」に注目していては一向に解決しません。
その怒りにたどり着く第1感情である、「不安」や「期待」といった感情に目を向けましょう。
「怒り」はあくまでも表面にでてきた行動のような部分です。
声が大きくなったり、怒鳴ったり、早口になったり・・・
それを「怒り」と呼ぶのです。
イライラする気持ちから生まれたそうした行動は、第1感情とのギャップから生まれたものです。
不安であれば、不安からの解消をしたい気持ち。
期待であれば、期待を裏切られた(自分の予想が外れたことによって自分の評価を下げること)などから生まれた気持ち。
ですから、「不安」となる原因を探ってそれを解決しないと、「怒り」は解決しません。
「怒り」を解決しても、「不安」が残れば、「不安」から「哀しみ」という感情に姿を変えてでてきてしまう可能性もあります。
「期待」であれば、自分が評価したことが間違いだったのか、評価の仕方に問題があったのかなど、自分への怒りを相手の問題へとすり替えていることもあります。
相手にとっては過度な期待をされたことによる不信が生まれたり、期待をさせないように行動するなどして、あなたとの関係調整を図ろうとするかもしれません。それでは本末転倒ではないでしょうか。
感情の調整によってうまく解決を図る場合には、第1感情に遡っていくことで、根本的な解決に導くことができます。